移住者紹介レポートvol.6~男ノ子焼きの里を存続させた風見窯。杉田さんの陶芸への想い。〜

移住者紹介レポートvol.6~男ノ子焼きの里を存続させた風見窯。杉田さんの陶芸への想い。〜

私は、陶芸についてあまり詳しくありません。まちで見かける焼き物は、驚くような値段が付いたものから、数百円の手ごろなものまでさまざまです。また芸術的な視点も持ち合わせていないため、そのものの価値もよくわかりません。ただ、ある作品の背景を知ったとき、その作品に対する見方が変わる瞬間は、自分でもはっきりわかります。

今回紹介するのは、昨年、八女市立花町北山地区に新しく自分の窯を開いた横浜市出身の杉田さんです。杉田さんの移住に至った物語と陶芸に対する想いを聞かせていただきました。

男ノ子焼きの里との出会いは、この施設を残したいという方々の想いの連鎖によって生まれました。

「僕が男ノ子焼きの里にくるまで、この施設は閉館されるかもしれない状況だったそうです。当時僕は荒尾市の小代窯で修行していたのですが、修行期間がちょうど3年目になる頃で、そろそろ独立を考えないといけない時期が来ていました。そんなときに、男ノ子焼きの里が窯元を募集をしていることを人づてに知ったんです。」

実はこの情報を知るまで5人もの人が繋がっていたそうで、自分の置かれた状況と窯元募集のタイミングがとてもよかったのだと杉田さんは話してくれました。


男ノ子焼きの里周辺は陶器に必要な資源の宝庫
男ノ子焼きの里周辺は陶器に必要な資源の宝庫

「ここ(男ノ子焼きの里)に来てから1年が経ちました。初めの頃は、いろいろな土地の材料を使ったり作品に絵を書いたりして、オリジナリティを出そうとしていました。でも最近、少し考え方が変わってきたんです。そのきっかけになったのが、この地域にある豊富な資源でした。ここには、陶器を作るのに必要な陶石が、工房のすぐ裏で採れるんです。そういう意味で男ノ子焼きの里は、とても恵まれた環境だと思います。
そういう環境なので、製作しないといけないとわかっていても、ちょっと材料探しに行ってみようかと出かけてしまって、作業が遅れることもよくあります(笑)」

その土地のものは、その土地で消費する方が自然の姿だと思う
その土地のものは、その土地で消費する方が自然の姿だと思う

「今焼き物業界では、産地が違う土地の陶石を使うことも多いですが、以前はその土地で採れたもので作ることが当たり前でした。その土地のものはその土地で消費する、ということが自然な姿ではないかと思います。自分らしさを突き詰めたときに、それこそがオリジナリティとかアイデンティティなのではないかと思うようになったんです。」

地域の支えがあって作品づくりに取り組める
地域の支えがあって作品づくりに取り組める

この地区では毎月2日に地域の清掃活動があり、それが終わると、住民のみなさんでお茶をしているのだとか。男ノ子焼の里は、地域の憩いの場的な役割もあるのだと杉田さんが教えてくれました。
時には、ここに行けば粘土が採れるぞという情報を教えてもらうこともあるらしく、地域のみなさんに支えていただいているそうです。

登り窯に火を入れる
登り窯に火を入れる

男ノ子焼きの里には立派な登り窯があります。しかし、杉田さんが来るまでほとんど使われていませんでした。杉田さんは、この登り窯をもっと使っていきたいと胸の内を語ってくれました。

「これまで年に1度しか登り窯を使っていませんでしたが、使う回数をもう少し増やせたらいいなと思っています。この地域の材料を使って出来た作品を、登り窯で焼いてみたいんですよね。それに登り窯に火が入ることはこの地域の一大行事らしく、入れ代わり立ち代わり、お客さんがやってきます。こうして人が集まる場所になることは嬉しいことです。」

本当に良いものを若い人たちに届けたい
本当に良いものを若い人たちに届けたい

「ありがたいことに、作品を置いてくれる取引先が少しずつ増えています。その多くは、個人でされているようなお店です。僕は、良いものは若い人たちにも届いてほしいと考えています。自分が学生のころは、値段が高いものに手が届かず、なぜそれがそんなに高いのかわかりませんでした。だからこそ、おしゃれな雑貨店みたいなところに置いてあれば、若い人たちも手に取りやすいんじゃないかと思うんです。」

大変だけど、楽しい。
大変だけど、楽しい。

焼き物の話をする杉田さんは、とても楽しそう。

一方で、登り窯に火を入れるということは丸1日窯に付きっきりになるということを意味しており、大変な作業です。それでも取材中、杉田さんからは笑顔が絶えませんでした。大変な作業ですねと問いかけたところ、「いえ、こう見えて、今とても楽しんでるんですよ(笑)。やっぱりこれが焼き物だよなぁって感じです。」と笑顔で答えてくれました。

男ノ子焼きの里れんげ祭りに向けて準備中
男ノ子焼きの里れんげ祭りに向けて準備中

平成31年4月27日(土)・28日(日)に八女市立花町で開催される男ノ子焼きの里れんげ祭りでは、今回登り窯で焼いた作品の展示即売を予定されています。この祭りに向けて600個の作品を準備されたそうです。れんげもちょうど見頃を迎えそうな気配。この機会に杉田さんの想いが詰まった作品に、触れてみてはいかがでしょうか。

風見窯の情報はこちらから。

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